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もりこん記録:「沖ノ島・鷹ノ島海岸自然林観察」
--------(4日午前中オプション)----------
館山市の里山観察、沼のビャクシン見学ほか
参加者:藤平、斉藤、吉田、鳥海、和波、藤田、元岡、桐山、広畠、江口、山口、増
田、高橋、寺嶋
NPOたてやま海辺の鑑定団:竹内、竹内、三瓶、計17名
- 城山公園駐車場には、予定どおり10過ぎに集合。
館山市沼の里山観察には、「NPO法人たてやま海辺の鑑定団」の参加があり、とても
密度の濃い観察会となった。
- 沼のビャクシンまでの徒歩20分のコースは、6000年間にわたる、海面の変動と
- 繰り返し発生する大地震に伴う地盤の隆起により、形成された第一汀線から第4汀線
までの地形。
- 菜花の畑を見ながら、風格のあるビャクシンの巨樹の観察。
午前中にこの企画を設定したのは、光の当たり方から、是非この時間に見てほしいと
いう地元の斉藤さんの貴重な情報によるものでした。
- 海辺の鑑定団竹内氏とともに現地へ直接参加していただいた、館山市沼にお住まい三
瓶雅延氏は、「沖ノ島サンゴを見守る会」の代表でもある。
-
樹齢800年といわれる「沼のビャクシン」の歴史を考えるうえで、イメージを大き
く膨らませることができた。
現在も造礁珊瑚の北限として知られている当地の、約6000年前の珊瑚層の痕跡を
歩きながら確認。
- さらに、時間の制約のある中で、三瓶氏と竹内氏から車での移動を提案していただ
き、「珊瑚水の井戸」と「沼のヒカリモ」の見学を追加実施した。
「珊瑚水」とは、2年前に三瓶氏が天然記念物の沼の珊瑚層に自費で掘った井戸の
水。鍵のかかる建物の中に設置されており、地下5,6mで飲用水が出る。
三瓶氏は「珊瑚水」の命名者であり、知的所有権として認証されている。
まろやかな味であり、この水がいつまでも飲めるような、環境の保全が、沼の里山活
動の大きな目標になるのではないかと、強い印象を受けた。
三瓶氏の参加により、沖ノ島近海の北限珊瑚の背景としての「沼のサンゴ層」を含
め、理解を深めることができたことに感謝します。
- また、6000年前の第4汀線付近の崖に掘られた横穴に溜った水面に浮かぶヒカリモも最も美しい場所に、案内していただいた。
ウグイス色と金色を混ぜた色の光を静かに反射する様子に大満足。
里山観察における地元とのタイアップの重要性を確信し、「もりこん」のテーマであ
る会員の研鑽と地元関係者との交流が午前中ですでに120%実現できた。
- 過去の海底地形と沼のビャクシンの見学に加え、さらに、2月になって開花宣言をした城山公園の暖かく美しい梅林で昼食をとって、午前中オプションを満喫した。
-------(沖ノ島・鷹ノ島海岸自然林観察)---------
海辺の鑑定団から、7名が特別参加。
さらに、いわしの予報官として、全国に知られる水産博士平本紀久雄氏が地元からゴ
ミを拾いながら徒歩で、特別参加された。
参加者:藤平、平本、海辺の鑑定団7名、斉藤、國安、湯本、遠坂、吉田、鳥海、和
波、藤田、元岡、桐山、広畠、江口、山口、増田、高橋、小林、野村、鈴木、山田、
椎名、萬實、寺嶋 計31名
「もりこん54」本編は、沖ノ島入口の駐車場に集合して開始した。千葉方面から南
房総への観光客で予想どおりの大渋滞があったとのことだが、概ね、予定通り13時
過ぎに集合して開始した。
- いわしの予報官平本氏、海辺の鑑定団竹内氏、三瓶氏ほかの参加を得て、想定しうる最高メンバーで本格的な「里山・里海の観察会」が始まった。
天候は快晴、潮は引潮、南国を思わせる濃いブルーの海の色、とタイミングも最高。
藤平先生の誘導で、沖ノ島の右回りに歩くコースは、海と森林との境界の自然観察と
いうテーマにぴったりで、下見では想定できなかった秀逸なコース。さすが、小櫃川
河口などで普段海岸を歩かれている藤平先生ならではのコースであると感じた。
- 沖ノ島は、元禄の大地震や関東大震災などの比較的新しい地殻変動に伴って隆起し、大きく姿を変えてきた島である。
南西端の戦時中要塞が掘られた崖地の上が、海抜12.75mの最高標高点。
- 主要な樹種は、タブノキ、ヤブニッケイ、シロダモ、イヌビワ、ムクノキ、トベラ、マルバマサキ、カラスザンショウなど
種数が多くないことが、海岸自然林の特徴である。
- 沖ノ島の植生については、千葉教育センターの山井廣氏の調査が最も詳しいとされているが、当日、三瓶氏は山井氏の調査結果のコピーを急遽持参していただき、241
種の植物が確認されていることを情報提供していただいた。
スダジイが比較的潮風に弱いため、沖ノ島の高木層にはスダジイが見られないと紹介
されることが多いが、最低1本のスダジイがあることが資料から判明し、現地で確認
した。
さらに、近くで幼樹が2本確認できた。
この場所は、潮風の影響が比較的少ない島の東側で、まわりをヤブニッケイなどで守
られた状況であった。
紀伊半島の海岸スダジイ林でのシイノトモシビタケの話を紹介をしたところ三瓶氏は
興味を示された。
- 海辺と森林との間は、最前線にハマゴウ、イソギク。ハマダイコン、ヒゲスゲ、コウボウシバ、カモノハシ、ネコノシ、タイトゴメ、ハマボッス、ハマナタマメ、ハマヒルガオなど、多くの海浜植物が確認できた。
トベラ、シャリンバイ、マルバグミなどが海岸最前線のマント群落を形成している。
- 地元の海辺の鑑定団や平本氏の参加により、約1万年前の海底遺跡の調査がされた場所の話、いろいろな種類の海底珊瑚に群れるの美しい魚の群れの写真を海辺で拝見
し、海から森林につながる自然と人の暮らしの姿を時間的、空間的に広くイメージす
ることができた。
- 「鷹ノ島」では、関東大震災の影響、タブノキの巨樹、貴重な全国北限の暖地性大型シダである、イシカグマを観察した。
イシカグマは、道路沿いに生育しているが、神社の管理上から雑草と共に繰り返し刈
られており、縮小し小さく矮生化したものが多かった。
地元には、善処をお願いした。
今回の「もりこん54」を契機に、今後、地元とタイアップした共同企画ととして発
展させ、「里海・里山」をテーマとした理想的な「ブルー・グリーンツーリズム」の
実現の検討が可能となったと思われます。
-----------(4日夜〜5日午前中オプション)------------
「もりこん54」は、さらに、夜の部の勉強会と懇親会で盛会となった。
車で45分の和田町上三原、自然の宿「くすの木」は、地元自治会の有志で運営す
る、廃校となった小学校を立て直した宿舎である。
旧校舎に接する神社に房総半島最大級のクスノキの巨樹がある。
夜は、斉藤陽子さんの和田町の産業と花卉栽培の歴史の紹介があった。
話題は、斉藤さんの農業普及の深い経験を背景に、過疎の問題や日本の農業問題にま
で及ぶ重要なテーマに関連づけ、史実や統計にもとづく大変分かりやすい資料で説明
され、 森林インストラクターとして、普段はなかなか聞く機会がない重要な内容で
あり、農業全般や南房総の一次産業のあり方を学ぶ貴重な機会となった。
また、和田町には県内で最も事業量の大きい安房西部森林組合がある場所で、この夜
の勉強会には、参事の武山冨士雄氏と若手職員2名が地元から参加された。
若い森林組合の作業員にとっても、この勉強会は、その雰囲気を経験するだけでも貴
重な機会となった筈である。
武山氏は、森林作業の県内随一のプロであり林業体験講座や森林教室を地元の子ども
たちを対象に開催している。
森林管理への提言でも全国的に知られる。
懇親会へは、ビールの差し入れをしていただき、盛り上げていただいた。
夜の勉強会の本命は、長年にわたる藤平量郎氏の房総半島のヒメコマツの調査結果の
話題であった。
話題提供に先立ち、寺嶋が、その活動状況の写真をパワーポイントで紹介した。
ヒメコマツをテーマにして、房総半島の自然のダイナミズムや、近年の自然の大きな
変化、希少生物の保護をめぐる種々の問題について理解を深め語り合った。
------------(5日早朝検討会)-------------------
5日早朝には、「くすの木」樹勢回復の検討を行った。
樹木医である、藤平、藤田、斉藤の三氏を中心に、観察と対策を検討した。
土壌の確保改善のための地元を主体にした保全活動を実現したいという、具体的な話
に展開し、今後が楽しみです。
------------(5日午前中 桜の観望)--------------
抱湖園の元朝桜を見学。
今年ほど桜の開花が遅い年は無いとのこと。
桜祭りが行われており、甘酒や手作りのコンニャクをご馳走になり、大満足。
元朝桜は、早咲きのエドヒガンであることをほぼ確認した。
11時頃解散。
-------------(安房西部森林組合・森林観察ほか)-----------
さらに、5日昼から午後にかけて、和波、鳥海、寺嶋は、安房西部森林組合と武山氏
宅を訪ね、2時間半にわたり山を案内していただき、スギやケヤキヒバなどの植栽地
の施業や活用方法、山の将来について語り合った。
今回の「もりこん」により、本格的な「海・山の自然と暮らしに親しむ」活動の第一
歩が実現でき、何より、南房総の地元との交流が収穫でした。
以上
(報告:寺嶋)