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わが女房は山の神
実施日時
平成21年5月21日(金) 10:00〜12:00
場所
市川市市民会館
受講者数
39名
講師
湯本
庶務
和波、山内
アシスタント
佐山・高野・山内・栗田・和波
オブザーバー
稲岡・西川・龍門
概要
山の神
・総称は「山の神」でほぼ共通しているが、実際に祀られて「神」の具体名は「十二様」の名称が多い。
・山の神は女性と考えられ、嫉妬心から禍が起きないように女人禁制となっている場所が多い。
・山の神はオコゼという醜い魚を好むという伝承がある。山の神は不美人の女神で、自分より醜悪なものを見ると、優越感に浸って喜ぶという。
・山の神は、オコゼをもった漁師には獲物を授けたり、道具をなくしたときはその在りかを教えてくれる。オコゼは漁師の山中での護符とされた。
山の神と出産
・山の神は多産で、人間の出産を司る神格となっている。
・山の神は出産に立ち合う神とされる。東北地方に、山の神がおいでにならないと、お産ができないという信仰から、妊婦が産室に入ったら夫が山の神迎えに出るという。
田の神
・山の神は、春の稲作開始時期に里へ下って田の神となり、秋の収穫後は休息のため山に帰る。春秋去来伝承という。
・山の神は沢山の子を産む強い生殖能力を持つ産神で、農民にとって作物の成長を見守り、稔りを期待する豊穣神である。
わが妻を山の神とよびならすこと
・夫がごく親しい仲間同士の会話の中で、自分の妻を「山の神」とよぶ場合がある。酒席など断るとき、妻を比喩して愚痴交じりにいう言葉として使う。
・「山の神」という呼称は、子どもを沢山産む生殖本能を持つことで、主婦に擬せられた。
狂言「花子」
・室町時代の狂言「花子」に、夫が妻をさして「山の神」と呼ぶ例がみられる。
・ここでの山の神は、家事に励んで、神はほろけてひどい有様で、かつ醜い女として描かれている。
わが女房は山の神
・山で作業する狩猟民が、山中では山の神の保護下にある。女神である山の神が絶えず付き添っている。そこで、夫の陰日向に付き添う妻を、尊称を含む戯称として「山の神」と呼んだ。
・狩猟民に山の神の弟子となる「クライドリ」の儀式があり、成人や一人前になるとき、男がそのシンボルを山の神に捧げる儀礼である。
・クライドリをした若者が、山の神に奉仕するように、はじめて連れ添った実在の女性と一生を共にするようにと「山の神」の名称を用いた。(民俗学者千葉徳爾氏の説)
(報告:湯本)