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台所で楽しむ果実
実施日時 平成19年10月30日(火)9:30〜12:00
場所 市川市市民会館
講師 渋谷
庶務担当 小橋、佐山、和波
オブザーバー 小山、遠坂、山口、龍門
私達は果実を「くだもの」と言うような意味で使うことが多いですが、植物用語では「胚珠を収めていた子房全体が実ったもの」となります。講座ではこの定義がよく理解できるように、まず、昨年春の講座「進化から見た花の顔」より抜粋してスライドを見ながら復習しました。
葉が進化の過程で大切な生殖細胞を包んだ〈子房〉が
発達・成熟して果実になります。
概要
次に台所でおなじみの果実を中心に、スライドの写真や図を見ながら学びました。
マメの花をよく見ると、雌しべの形はすでに豆のサヤの形に似ています。絹サヤをよく見るとガクと雄しべの痕跡が残っています。
豆(=種子)に栄養を送る筋があるので、調理の時にはこのかたい筋を取るわけです。アケビの雌花の1本の雌しべから一つの果実が出来ていることをスライドで納得! 一心皮で出来た果実で、熟すと合わせ目から開くことから「開け実」転じて「あけび」という話も。オクラはどう考えても5心皮でしょう。
バラ科のブラックベリー、オランダイチゴ、モモ、リンゴなどは、花はどれも〈5枚のガク片、5枚の花弁、多数の雄しべ、中央に雌しべ〉とよく似ているのに実の形は様々で、どの部分が美味しく肥大したのかを考えました。
子房下位のリンゴや梨で胚珠をしっかりと包み込んだ植物の知恵を見ました。
わかりやすい花の断面の写真や図解を図書やHPから拾い出して見てもらうことで、よく理解出来たのではないでしょうか。イチゴやリンゴは果実の定義からはずれるので偽果と呼ばれます。ビワの植物学的探究心を満たす食べ方の提案(?)も!
【実習】
はじめに、絹サヤ、グリンピース、枝豆、大豆、サヤインゲン、ピーナッツ、そらまめ について、私達は植物のどこをご馳走になっているか、考えてみました。若い種子?よく実った種子?それとも果実?次に柿を縦に真っ二つに切ったとき、タネまで真っ二つに切れたときの状態を思い出して絵に書いてみてから、実際に柿を切ってどうなっているか観察しました。
その他、かぼちゃ、ナス、ピーマン、オクラ、シシトウ、リンゴ、キーウイなどを実習材料として用意しました。
最後にキーウイの雌花のアップの写真で、果実の断面が多数の放射状の線が見られる理由を考えたり、ミカンの美味しい小さな果汁が入っているところが実は葉の毛に由来することを説明したりして、まとめをました。
【感想】
台所でなじみの果実について、料理や味とは別の切り口で“切り口”を観察出来ると楽しいのではないかと考え、「果実をテーマにスライドや実習で講座を組み立てたい」という構想から3年目にしてようやく実施できました。
難しいところもあり、自分自身も不消化な部分もあるのですが、楽しく、分かりやすくを目指しました。
受講生の皆さんが楽しそうにワイワイと実習してくださったのでよかったです。
【講座で参考・引用した本、HP】
・写真で見る植物用語 岩瀬徹・大野啓一著
・花からたねへ 小林正明著
・福岡教育大学福原達人HP
・岡山理科大波多研究室HP
(報告:渋谷)