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谷津田から雑木林へ 春風に乗って
概要
都市、町、工業用地、里、耕作地、森が複雑に入り組んだ結縁寺〜草深の森周辺の特徴あるフィールドを体験してもらうことを目的に講座を行った。
このフィールドは狭い地域でありながら多様な土地利用形態があり、それぞれのフィールドごとに異なる植物が生育している事を体験的に知ってもらう事も目的であったが、一番の目的は伝統的な里山の景観と近代的な都市の景観、美しい自然の姿と山を切り開き造成された土地の姿を対比させることで、受講者一人一人に自分達の暮らしと自然を守ることとの関わりについて考えてもらいたいとの想いがあった。
都市開発や工業用地の造成を自然破壊と一括りにし批判することは簡単だが、自分達の現在の豊かで快適な生活は自然を破壊し得られた近代的な文明の上に成り立っていることを忘れてはならないということがこの講座を通してのメッセージである。
全体の流れとして、里の道端に咲く可憐な花々を観察した後に荒涼とした造成地を見せることで、このメッセージをより強く伝える事が出来たのではないかと思う。
講座を終えて
急な講師の話で準備にあまり時間を割くことは出来ませんでした。
自分より植物について詳しいであろう受講者を対象にする講座でもあり、通いなれたフィールドとは言え初めはどのような切り口の講座とするか迷い悩みました。
講座で使用したフィールド周辺は昨年辺りから急速に開発が進み、日ごと月ごとに見なれた景色が大きく、残念な形で変化していきました。
この“残念”な変化は直接的、間接的をに自分自身の生活の中で無視できない利便性や快適さをもたらしました。
谷津田を埋め立てた土地には大きなパン工場が建ち、冷凍倉庫からは日々食料品が配送されていき、建材メーカーからは住宅工事に必要な製品が出荷され、建設機械の整備工場はあらゆるインフラ工事を支えています。
失われた自然とそれにより支えられる自分の暮らし。
この二つの間に横たわる大きなギャップ。
この二つのギャップを受講者にも体験してもらい、自分達の暮らしの中に潜む自然破壊の現状に気付き、感じ、何かを持ち帰ってもらいたい。
そんな想いで講座に臨み、果たしてどこまで伝える事が出来たのかは判りませんが、自分には珍しく大人相手のインタープリテーションは普段の活動に繋がるとても良い経験となりました。
最後になりましたが受講者の皆さんと、講座を支えていただいたスタッフの皆さんに感謝の気持ちを添えて実施報告を終わりにしたいと思います。
(報告:萬實)