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『美浜生き生き大学校「森の恵み」』
●日 時 平成18年12月7日(木) 14時〜16時10分
●場 所 美浜区真砂5丁目自治会館
●主 催 美浜生き生き大学校
●参加者 参加者25名
●講師(森林インストラクター)遠坂 弘
実施内容
年配の方が多いので添付レジュメに沿って、できるだけ平易に、フオ−トビジョンを使い、テレビ画面に画像を映しながらの説明につとめました。
【使った画像】
「日本の森林帯(水平分布と垂直分布)」。「エゾマツ・トドマツ林。ブナ林。カシ林。亜熱帯林」。
「木が切られてから林ができるまで」。「生き物たちのつながり」。「くりかえされる雑木林の管理」
「雑木林の生きていた昔の暮らし」「いろいろの産物(きのこ・山菜・炭・ハゼ・漆・和紙・竹・薬・染料)」。
「水の循環」。「魚付林・河畔林・渓畔林」。「プランクトン(植物・動物)」。「海藻・海草の森」。など
「レジュメ」
- 森林の面積について
- 世界の森林面積39億ha。陸地面積の約3割。
- 日本の森林面積2500万ha。わが国国土の約7割。天然林6割 人工林4割。
- 日本の森林帯
- 亜寒帯林―北海道東北部の年平均気温6℃以下の区域。エゾマツ・トドマツの針葉樹やカンバ類・ミズナラ・カツラなど落葉広葉樹との混交林
- 冷温帯林―北海道の西南部から本州東北部の年平均気温が6℃〜13℃の区域。ブナ帯とよばれる。
- 暖温帯林―年平均13〜21℃の区域でシイ・カシ類が極相で照葉樹林帯ともよばれる。
- 亜熱帯林―小笠原など年平均気温21℃以上の区域でガジュマル・アコウ・ビロウ、木生シダ類など。
- 森とは 林とは
- 森とは本来は自然に盛り上がった所の意味。これに「森、杜、守、盛」のような漢字を当てたことから混乱が起きたと思われる。
- 降る(もる)とも言われ、神霊が天空より天降り鎮まる神聖な場所が鎮守の森で古代から巨樹、巨岩などは神様が鎮座される神聖な場所として社殿などは無く巨木や老木をご神木とし森そのものを神社と考えた。万葉集では神社を「もり」と読ませ「社」と「杜」は同義語で「杜」には神社のある土地の木立、神を祀る神社の意味がある。林(はやし)との対比では森(もり)は大集団、天然林、鬱蒼とした感じ。
- これに対し林とは「生やし」。人に生やされた小集団、人工林、明るい感じで寺院に多い。
- 森林の移り変わり
- 例えば関東地方で木が切られた跡地にはまず一年生の草が、2〜3年目は多年生の草が、4〜5年たつと日当たりを好む低木が、10年目当たりからクヌギ、コナラなどの高木が林をつくる。それからはゆっくりと日陰でも育つカシやシイなどの高木林ができる。それまでに150年くらいかかる。
- 地球上の生き物のいのちを支える植物(森林の主要構成員〕
- 植物系 ―― 光合成によって有機物をつくる 「生産者」
- 植食動物系 ―― 草食の昆虫・動物、肉食動物 「消費者」
- 分解系 ―― 菌類、土壌動物、土壌微生物 「分解者」
- いのちのつながり
- 「葉っぱ→蛾の幼虫→昆虫→小鳥・ねずみ→大型肉食動物→猛禽、へび」
- 人間と共生してきた里山の雑木林
- 雑木林の恵みに支えられていた一昔前の日本人の暮らし。薪で風呂を沸し
炭で調理した料理を食べ落葉で堆肥を作り、雑木林の湧き水が水田を潤し、
山菜やきのこや木の実など山の幸にも豊かに恵まれていた暮し。
- 奥山に棲むクマの人里出没は緩衝地帯になっていた里山の荒廃が一因か。
- 森の恵みをもたらす森のいろいろなはたらき
- 一般用材、木工製品、特用林産物(きのこ、山菜、木の実、竹、特用樹、樹脂類、木炭類)の提供
- 水源涵養(緑のダム)・・・貯水量444億?、黒部ダム261個分。
土砂流出、崩壊防止
- 水質浄化、気温緩和、防風
二酸化炭素の吸収
酸素の供給、大気浄化
騒音吸収
保健休養(森林浴、森林療法〕
鳥獣保護(鳥獣の棲家)
- 森林の公益的機能の経済的評価額(平成12年のデータによる)。単位億円
水資源の涵養 271.200
土砂流出防止 282.600
土砂崩壊防止 84.400
保健休養 22.500
野生鳥獣保護 37.800
酸素供給・大気浄化 51.400
合計 749.900(74兆9900億円)
- 森は海のおふくろ
- 森に降る雨の行方
林内雨や樹幹流として地表に達し落葉の層にまず吸収され一部は蒸発するが大半は土中へ浸透する。その一部は毛管引力で再び地表に上って蒸発したり、葉の気孔を通して大気中に蒸散する。
浸透水は中間流、帯水、地下水となり長時間かけて渓流、河川へ流れる。
- 森林土壌に含まれる栄養物
森林地表には1ha当たり約3トンの有機物が堆積する。分解された無機栄養物(炭素・酸素・水素・窒素・リン・カリュウム・カルシュウム・マグネシュウム、硫黄、鉄の10元素ノほか、マンガン・ホウ素・銅・亜鉛・モリブデンの微量要素)は土壌に吸収される。
酸素と水素は水として根から吸収され、炭素はCO2として大気に帰り光合成によって同化される。窒素その他のミネラルは再び樹木に吸収されて再循環し残った栄養分は水に溶けて川に流れる。
- 光合成に不可欠な「フルボ酸−鉄」
枯葉が分解されると水に溶けるフルボ酸と溶けないフミン酸の2タイプの有機物を産む。
フルボ酸は粒状の鉄を取り込んでフルボ酸−鉄となり水に溶けている。海水中では窒素は安定した硝酸塩として水に溶けている。
植物プランクトンが硝酸塩を細胞内に取り込むとき、先に鉄を細胞内に取り込んでおかないと硝酸塩が酸素から引き離されず窒素は得られない。しかし酸化した大粒の鉄では細胞内に取り込めないので植物プランクトンは水に溶けているフルボ酸―鉄を利用して窒素を得ている。
- 海辺の森林「魚付林」
魚付林とは魚の棲息・繁殖用の保安林で半島の突端や岬に多い。
植物プランクトンを動物プランクトンが食べそれを小魚が食べるいのちのつながり(食物連鎖)。だから奥地の森林、渓畔林、河畔林すべてを魚付林と考えるのが妥当。
- 浅海域の草原「藻場」
アマモなどの海草が生育する藻場は枯れた葉が海底に堆積しこれを餌に底性生物バクテリアが増殖それを求めて魚が集まる。
海草藻場、ホンダワラ藻場、コンブの海中林がある。
(報告:遠坂)