「チャレンジ子ども樹木博士 inもばら」2006
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| 雨の中で |
◆日時:10月1日(日)正午から午後4時30分まで
◆場所:茂原公園(茂原市)及び茂原市立美術館実習室)
◆天気:雨
◆参加者:合計42名(こども52名、保護者約30名)
※子ども樹木博士認定者52名
◆スタッフ:(社)茂原青年会議所12名
茂原自然大好きクラブ6名
千葉県森林インストラクター会9名
その他ボランティア2名
茂原での開催は今年で3度目で、(社)茂原青年会議所による主催は昨年に続き2回目となりました。
以下、項目毎に、参加の子どもたちやスタッフのふりかえりを交えて報告します。
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1.3年連続雨天決行の意義
何と、3年目にしてまたもや雨天下での決行となった。しかし、私たちは結果として、雨天決行の大きな意義に気づくことができた。
一点目は、雨そのものや雨の中での生き物たちの営み、雨の森の風情など、雨ならではの体験ができることである。野外活動としては雨も天気の一つで、むしろ当然のことである。
二点目は、子どもたちが子どもならではの感性で雨や雨の森を楽しんでいることである。大人はどうしても運営や安全面など、雨天下での実施は躊躇しがちだが、子どもたちは全くそんなことはない。その様子はとても生き生きとしていて、子どもたちのそのエネルギーに、この企画が支えられてきたと感じずにはいられない。
最も重要なのは三点目である。前述のとおり、子どもたちは本来雨であろうとなかろうと、自然を感じ楽しむ能力と感性を持ち備えているのだが、昨今の子どもたちにとって、雨の中で活動することは非常に少なくなっている。ましてや雨の森の体験は皆無に近いだろう。そこで、雨天でもこの行事を実施することによって、その貴重な機会が確保されることは、たいへん重要と言える。
もちろん、運営上の工夫や準備、安全確保への配慮が欠かせないことは、言うまでもない。
2.参加者の確保と傾向
前回(昨年)同様、茂原青年会議所の尽力により、長生地区7市町村、全小学校約30校の全児童に1万枚弱のチラシを配布した。そうしたところ、昨年の80名を下回ったものの、就学前の幼児から小学6年生まで65名の申し込みを得ることができた。
当日は雨にもかかわらず52名の参加を得ることができた。昨年からのリピーターが多く、葉っぱクイズの際に子どもたちに尋ねたところ、全体として半数程度を占めていたのではないかと思われる。昨年は5・6年生の申し込みは皆無だったが、今年はリピーターを中心にして9名となった。
3.プレイベントとアイスブレーキング
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| チェーンソウアート |
楽しさを重視して子どもたちの緊張感を取り除くとともに、木や森についてのイメージを豊かなものにするために、プレイベントとアイスブレーキングを行なった。
プレイベントとしては、プログラムの前に、記念品作りのネイチャークラフトとチェンソーアートのデモンストレーションを行なった。ネイチャークラフトが子どもたちに大人気だったのは言うまでもない。
チェンソーアートでは、見学と併せて、みんなで端材の香りを嗅いでみたり、講師から材料のスギやスギ林の現状などについての話もあった。
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| アイスブレーキング |
香りに対する子どもたちの反応は様々で、話の内容も子どもたちに少し難解だったが、スギについて、より幅広い体験として意義深いものだったと思う。
アイスブレーキングでは、樹形を体で表現する「木の体操」とともに、言葉としの木の名前に少しでも馴染みを持たせる目的で、樹名をテーマにしたオリジナルアクティビティ「木みと木(ぼく)」などを行った。
4.樹木観察
「木と遊ぼうコース」(対象樹木10種)は、5才〜小学2年生19名を3班に分けて行なった。
フィールドは広場が中心で、葉っぱ遊びなどを取り入れて楽しさを最重視して進めた。
「森は友だちコース」(対象樹木20種)は、5才〜小学4年生23名を3班に分け、
「めざせ上級コース」(対象樹木30種)は、小学2〜6年生10名を1班で、それぞれ斜面林を含むルートで、種数に応じた観察時間を設けて実施した。
雨のせいもあって、少人数構成にもかかわらずインストラクターの声が届かないとか、説明に子どもたちが集中できない場面などもあった。移動そのものは探検気分で楽しんでいる様子が伺えたが、観察と説明では、スタッフの一層の工夫や協力、安全への配慮が欠かせない。
5.葉っぱクイズ
当プログラムでは本来「テスト」と称しているが、当会場での企画では、イメージを和らげるために「葉っぱクイズ」として行なった。
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| 葉っぱクイズ |
樹木の名前は日常的会話の中では、馴染みのない言葉ばかりである。ましてや、小学校入学前後の子どもたちにとって、ひらがなを書くことも困難である。それらの能力と樹木の特徴を感じたり理解したりする能力は、全く別のことである。
そこで今回から、低学年を対象とした「木と遊ぼうコース」では、解答用紙の欄外に対象樹種名を予め記載し、そこから選択して記入する方法を採った。それでも、文字を書くのに手間取る姿も見られたので、スタッフが適宜アドバイスを行なった。
また、各樹種の現地で得られない情報などを補うため、
実や花、その他言葉としてのヒントを、適宜加えた。
高学年を対象とした「めざせ上級コース」では、インス
トラクターの監督の下、自己採点方式を取り入れた。そう
したところ、間違った欄に正解を熱心に記入する姿が見ら
れた。より一層の理解につながるものと思う。
6.得点集計結果から
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| 認定証を受け取って |
正解率が高い樹種は、モミジ、イチョウ、アジサイ、クリ、ヤツデなどで、低正解率はハゼノキ、クスノキ、ヒサカキ、クサギ・アカメガシワなどだった。普段から聞きなれている言葉や目にしている樹木は比較的正解率が高く、そうでないものは低いことがわかる。
認定結果は、3段2名、2段17名、初段16名、1級10名、2級5名、3級2名だった。各コース満点の子どもも多数いた。リピーターの子どもたちを中心に、随分よく勉強してきているとの声もインストラクターから聞かれた。
この成績から優劣を云々するよりも、子どもたちの意欲とスタッフの創意工夫の結果として、子どもたちが豊かなイメージを伴って、楽しい時間を過ごし、木や森への理解と良い思い出につなげることができたとすれば、運営に関わったものとして幸せなことである。
なお、級・段位の基準は、正解0で初級とし、同じく1〜3で3級、4〜6で2級、7〜9で1級、10以上で初段、15以上を2段、25以上を3段とした。初級から1級の考え方は茂原会場独自のもので、初段以上は子ども樹木博士認定活動推進協議会によるものである。
7.子どもたちのふりかえりシートから
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| クラフト作品を手に |
「一番好きな木・心に残った木」として、「木と遊ぼうコース」ではイチョウが、ポプラはどのコースでも少しずつ人気があるようだ。「めざせ上級コース」でほとんど全員が別の樹種を別々な理由で選択している。高学年ほど物事のとらえ方に多様性があることが伺える。
「よかったこと・楽しかったこと」として、色々な木があって楽しかったとか森の中を歩いたこと、クラフトのことなど、昨年とほぼ同様の傾向だった。
「むずかしかったこと・残念なこと」として、天候についての記載が目立ったこと以外は、特に目立つ内容は少なかった。昨年多く見られた「クイズ(テスト)がむずかしい」とか「できなくて悔しい」などと言った記載が、今回はごく少数にとどまった。「なし」の記載が多かったことは、スタッフとして嬉しいことである。
事前に送付した資料については、三択で「よかった」が大半を占めた。スタッフ手書きによる葉の図に対する好印象も伺えた。
「またチャレンジしてみたいですか?」の問いには、三択で「はい」が大半を占めた。低学年では「楽しいから」との記載が、高学年では「今度は中学コースをつくってほしい。」など意欲的な感想も見られた。
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| 木彫りの「熊さん」を囲んで |
8.最後に ─ 継続開催の可能性と期待 ─
3年間同会場で継続開催して、昨年来てくれた子どもたちが、それぞれ1年上級生になって今年も来てくれたことや、幼児を含む低学年の子どもたちが楽しいと感じてくれていること、そして、高学年の子どもたちがよく勉強して参加してくれること、より上級への意欲を示していること、さらに、雨でも来てくれること、等々、多くの実績と実感を得ることができた。こうした事実から、年齢に対応した方法の効果や、子どもたちが参加の度にステップアップしていく意欲や可能性をも実感することができる。
子どもたちが樹木の名前を一つでも多く知って木や森林への理解を深めることを趣旨とする当プログラムの意義と、楽しさと年齢に応じた方法を重視した方法の効果、そして子どもたちが年齢相応にステップアップしていこうとする意欲。継続開催することによって、それらの相乗効果として生まれるであろう未知の可能性をひしひしと感じ、同時に地域における町づくりとしての効果を期待せずにはいられない。
(記:望月)